スノーモービルやウォータークラフトなどで名を馳せるカナダのBRPが2007年に世界に送り出したのが、「カンナムスパイダー」だ。開放感を味わえる、まったく新しいマシンを作るという目的でプロジェクトが発足したのは1996年。11年の時を経て生まれたリバーストライクである。
カンナムスパイダーの特徴
バイクでもないし、オープンカーでもない。まさに、第三の乗り物と呼ぶにふさわしいマシンとして、2007年に登場した。2013年には「カンナムスパイダーRT」が日本に初めて上陸した。 2015年には「カンナムスパイダーF3」が登場し、異彩を放つリバーストライクだ。
リバーストライクであるから、オートバイのようにバンクはさせない。クルマのようなハンドル操作とバイクのような体重移動によってコーナーを曲がる。だが、リアが1輪であるためクルマよりも旋回性が高く、フロント2輪が安定性を高めてくれるため、独特のコーナリングが癖になる。
新車であれば200万円を下らないが、ハーレーのトライクは300万円をゆうに超えてくる。そういう意味で、大型トライクの中では比較的安い部類といえなくもない。トライクそのものの流通が中古市場で少ないために、中古で買うよりも新車を探すほうが手っ取り早いだろう。逆に、保管状態が良ければ高値で買い取ってもらえる可能性もあるが、「買い手が少ない」ジャンルではあるので、売れない可能性を考慮して査定をやや低めに設定されることもある。売却する際には必ず複数の業者で比較・検討することをおすすめする。
カンナムスパイダーは1330ccとコンパクトカーに迫る排気量であるにも関わらず、トライクの維持費は大型バイクと変わらない。クルマよりも維持費が安く抑えられるというメリットもある。
パワフルで安定感があり乗りやすい
普通自動車免許が必要であること、そのクレイジーな見た目から、バイク乗りはなかなか手を出さない。だが、カンナムスパイダーは食わず嫌いで乗らないなんてもったいない魅力を持っている。
バイクが持つ解放感と、クルマの安定性の良いところを取った欲張りなマシンだ。何に例えていいか迷う、存在感にあふれるマシンだが「モンスター」ではない。自立するために立ちゴケの心配がいらない安定感だけでも、初心者ライダーやバイク経験のない人、足つきが心配な女性にもおすすめできる。オートバイに乗り慣れていなくても、乗ってもライディングの楽しさを実感できるはずだ。