1. >
  2. >
  3. サイドカーの操作方法

サイドカーの操作方法

サイドカーが生まれた背景

我々の日常生活の足となっている車とバイクだが、2輪車よりも車の方が先に誕生していることをご存じだろうか。
当初は蒸気機関を持つ3輪車であったが、その後内燃機関を持つエンジンが開発され、4輪車と2輪車が登場する事になる。
しかし、2輪車と比べ4輪車は非常に高価で、しばらくの間高根の花として、庶民には手の届かないものであったのだ。

したがって、庶民は自転車やバイクを、便利な足として長らく使用していた。
だが、荷運びには適さず、乗車できる人数も限られたものだった。そこで登場したのが、サイドカーである。
当初は、3輪オートバイのようなものが原型なったが、運搬量や利便性を突き詰めた結果、現在最も知られる形に落ち着いたのである。

サイドカーの車両区分

日本におけるサイドカーの定義は、排気量が50cc以上、または定格出力600Wを超えるものと定められている。
側車部分を外して、走行できる構造のバイクであれば、「側車付二輪自動車」として扱われることになるのだ。
また、250cc以下のサイドカーで、全長×全幅×全高が、2,500㎜×1.300㎜×20.00㎜以下であれば「側車付軽二輪」として検査対象外軽自動車となり、2輪バイクと同様車検は不要である。

これを超える排気量のサイドカーであれば、小型自動車となるため車検が必要になる。
ただし、側車部分を外して、走行できない構造のタイプとなると、トライクとみなされるのだ。
前例の2輪バイクサイドカーの場合、ヘルメットは着用義務だが、トライクタイプであればヘルメットの着用義務はないなど、現状ではかなりややこしい話になっている。

バイクと異なるサイドカーの操作方法

サイドカーは、モータースポーツとして、レースも頻繁に行われていることをご存じだろうか。
車のレースならカーレーサー、バイクのレースならライダーと呼ばれるのが普通だが、サイドカーレースの場合は少しわけが違うのだ。
なぜかというと、操縦者は運転者とサイドに、都合2名いるからで、運転者をドライバー、そしてカーに乗る同乗者をパッセンジャーと呼んでいる。

サイドカーレースの場合、コーナリングには、パッセンジャーのテクニックも重要視され、体重移動が通過速度に大きく影響するからだ。
これは、レースに限った話しではない。
つまり通常の走行時も、サイドカーの場合、バイクと異なる操作能力を必要とするのだ。

サイドカーの注意事項

サイドカーに、同乗者が乗っている場合も、細心の注意を払わなくてはならないが、一人で運転していう時も注意が必要だ。
なぜなら、バイク側にコーナーを切る際、遠心力でカーが浮いてしまうからだ。
特に熟練者でも、下りの右カーブは危険で、かなりスピードを緩めて進める必要がある。

また、逆に定速走行から急にアクセルを戻す際、相対的にカー側の速度の方が速くなるといったことも起きる。
これは、後輪にエンジンブレーキがかかり、結果的にカーのスピードが速くなることで起きる現象だ。
さらに、慣性力の影響で、初めて乗る際には慣れずにフラついてしまうこともある。
このような挙動は、サイドカーならではのもので、慣れるまではしっかりと学習しておいてほしい。