トライクの概要
 トライクとは、トライサイクルの短縮語で、3輪の乗り物を意味する言葉だ。
 日本でも以前から、業務用の3輪バイクはよく見かけていたが、最近ではお洒落な3輪バイクをよく見かけるようになったものだ。
 もともと日本でも、戦後しばらくして、ダイハツミゼットやオート3輪などが走っていた。
 しかし、その後4輪乗用車も、庶民に手が届くものとなり、3輪車のスタイルは失われてしまったものであった。
 ところが逆に、昨今では3輪車の走行時の安定性もあり、見直されているという。
 その証拠に、宅配などでは、3輪バイクが大いに活躍し、最近では国内を始め、内外の有名メーカーが開発に乗り出している。その背景には、新たな需要を作り出すという目的があるのだ。
トライクの法改正について
 近年ビジネス用ではなく、スポーティーなトライクタイプの3輪バイクが増えている。
 3輪バイクは、大まかに分けると、2輪車をベースとする3輪バイクとトライク、そしてサイドカーとに分けることができるのだ。
 さらにトライクの場合、2輪車と同様の扱いを受けるタイプと、乗用車と同様の扱いを受けるタイプがあるから、さらに難解である。
 理由としては、国の機関が3輪バイクを、想定していいなかったということもあるが、輸出入に際の貿易の摩擦を防ぐためにも、ある程度の緩い対応が必要になったというのが実情だ。
 2008年10月に、保安基準の一部改正がなされたのもそのような背景があり、現在でもトライクは普通免許で乗れるタイプと、自動2輪免許がなければ乗れないタイプとがある。
トライクの法的な車両区分と納税対象
トライクのことをより分かりやすくするために、明確な区分わけとその詳細を記載しておこう。
 『道路運送車両法』・50cc以下のタイプは、原付きバイクとして扱われる。
 ・50cc超~250cc以下のタイプは、側車付軽二輪を扱いとなり車検も不要。
 ・250cc超のタイプについては、軽自動車扱いとなり、車検が必要となる。
 『道交法における扱い』
 ・2輪免許では運転不可で、普通免許が必要となる。
 ・高速道路では、法定最高速度は100km/hだが、車検証で3輪自動車の車両区分の扱いのタイプは80km/hまで。
 ・ヘルメットの着用義務はない。
 ・3人まで乗車可能。
 ただし、自動二輪車扱いとなるトライクについては、バイクと同様の扱いとなり、ヘルメットも着用しなければならない。
トライクの車検について
 トライクの場合、車両区分の違いにより、バイクの免許で乗れる場合と、普通免許でなければ運転できないというケースが存在するのだ。
 車検については、バイクと同様に250cc超のタイプとなる。
 今のところ、バイク同様の扱いになることも多く、普通乗用車のように車庫証明は不要である。
 また、前項の車両区分でもご紹介したが、まだまだ細かな区分けがあることを、理解しておかなければならないだろう。
 日本の場合、トライクについて、明確な定義がなされてないことが問題となっている。
 現状では、排気量や屋根や車室の有無で、強引に既存の複数の分類に振り分けているから、さらにややこしい話となっているのだ。
 3輪車免許として、明確に分けてしまえばよいのだろうが、そうは簡単に行かない理由があるらしい。
