ホンダ ジャイロXの概要
ジャイロXと言われて、あまりピンとこない方でも、街中などでよく見かけることはあるだろう。
というのも、以前からこのバイクは、宅配業者などを始め、多くのビジネス用途で活躍しているからなのだ。
最近でこそ、3輪バイクの話題は多くなったが、実は国産車でも、ホンダがいち早く1981年にリリースしているからだ。
当初は、新しいカテゴリーの乗りものとして、スリーターと命名され、「ストリーム」として販売された。
この流れで、第二弾として発表された車種が、原付き免許で乗ることのできる「ジャイロX」というわけだ。
車名は、Great・Yours・Recreational・Originalそれぞれの頭文字をとったものだが、羅針盤を意味するジャイロとを掛け合わしたWネーミングとなっている。
ジャイロXはビジネス向けだが、なかなかの好評ということを受け、決済に特化した「ジャイロ UP」というバイクもある。
ホンダ ジャイロXの仕様
『ジャイロX・スタンダードモデル主要スペック』
エンジン形式：TA03E・水冷 4ストロークOHC4バルブ単気筒
排気量：49cc
最高出力：3.4kW[4.6PS]/7,500rpm
最大トルク：4.4N･m[0.45kgf･m]/7,000rpm
全長×全幅×全高：1,700mm×665mm×1,405mm
シート高：735mm
車両重量：113kg
燃料タンク容量：4.6リットル
タイヤサイズ(前)：90/100-10 53J ･100/100-12 62J
タイヤサイズ(後)：130/70-8 42L
ボディカラー：シャスタホワイト/ファイティングレッド
参考価格：ベーシック 税込み397,440円/スタンダード税込み419,040円
ジャイロXの特徴
ジャイロXは、前輪が1輪のボトムリンク、そして後輪が2輪のユニットスイングと、通常のスクーターと同様のサスペンションを持つ。
しかし、ジャイロXの最大の特徴は、「ナイトハルト機構」にあるといってもよいだろう。
ナイトハルト機構とは、3輪車をより安全に乗りこなすことのできるシステムである。
このシステムによりジャイロXは、コーナリングの際に、フロントボディの左右自在スイングし、内側への重心移動を可能にしているのだ。
これは、従来の3輪車にはなかったシステムで、通常の2輪車バイクのように、快適にコーナリングを行うことができる代物だ。
また、3輪車であるため、スタンドは不要。
ワンタッチで操作可能なパーキングロックレバーも備えているため、狭いスペースでも駐車可能なのだ。
積載重量は30㎏となっているが、前後にキャリアとデッキを備えているため、配送はもちろんのこと、買い物には非常に便利なことこのうえないだろう。
ジャイロXは遊びがいっぱい !
もともとは、商用ビジネス3輪バイクなのだが、ストリート系ライダーにも、カスタムベースとして人気を呼んでいることをご存じだろうか。
実はこのジャイロXには、遊びがいっぱいなのである。
YouTubeでも、最近はやりのバイクのカスタムだが、ジャイロXにもカスタマイズする事で、さらに利便性が良くなるのである。
例えば、後輪トレッドを500mm超にするだけで、排気量は50cc未満のまま、ミニカー登録ができるのだ。
また、排気量を51㏄以上にすると、側車付軽二輪いわゆるトライク扱いとなり、なんと普通自動車免許で運転できるようになる。
さらに、エンジンスワップあるいは、ボアアップにより、排気量を51cc以上にすれば、小型自動2輪として登録する事も可能だ。
本来ジャイロXは、50㏄の原付きバイクなのだが、このようなカスタマイズにより、最高速度30kmオーバーの走行も可能となるのだ。