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渋滞

トライクでの渋滞時の走り方

すり抜けができない車幅を理解したうえでの車線選び

トライクなどの3輪バイクを運転していて渋滞に巻き込まれた際、もっともフラストレーションを感じるのは、車と車の間をすり抜けて前へ進むことができない点だ。

3輪バイクの後輪部分の車幅は、軽自動車や小型の乗用車とほぼ同等に設計されていることが多く、物理的にすり抜けを行うスペースは存在しない。

無理に細い隙間へ進入しようとすれば、自身のリアフェンダーを傷つけるだけでなく、隣接する他車のボディをこすってしまう重大な接触事故を引き起こす。
そのため、トライクで渋滞路を走行する際は、自動車を運転している感覚で、車線の流れに大人しく追従していく忍耐力が必要となる。

渋滞の最後尾に差し掛かる前に、少しでも流れが良さそうな車線や、先の交差点で自分が曲がる予定の方向に合った車線をあらかじめ予測して選ぶのがポイントだ。
早めに車線変更を済ませておくことが、無用な車線変更による事故を防ぐ賢明な走り方である。

すり抜けができないことをデメリットと捉えるのではなく、停車時に足を地面に着かなくても転倒しないという3輪特有の快適さを活かし、リラックスして過ごそう。

エンジンの熱対策とオーバーヒートの予防

夏の厳しい暑さの中で渋滞にはまってしまった場合、3輪バイクにとって非常に深刻な問題となるのがエンジンの発熱とオーバーヒートだ。

とくに大排気量の空冷エンジンを搭載しているアメリカンタイプのトライクなどは、走行風がエンジンに当たらない渋滞での低速走行やアイドリング状態が長く続くと、またたく間にエンジン温度が異常上昇してしまう。
オーバーヒートを起こすとエンジンオイルの性能が著しく低下し、最悪の場合はエンジン内部の部品が焼き付いて取り返しのつかないダメージを負うことになる。

渋滞が完全に停止してしまってしばらく動く気配がないと判断したら、こまめにエンジンのキーをオフにしてアイドリングを停止させよう。
走行中も無駄にエンジン回転数を上げないように静かにアクセルを操作し、エンジンへの負荷を最小限に抑えるように心がけなければならない。

水冷エンジンを搭載したモデルであっても、冷却水を冷やすための電動ファンが回りっぱなしになりバッテリーに負担がかかる。
異常を知らせる水温計の警告ランプには常に注意を払い、熱気を感じたら無理をせずに日陰で休憩をとることも大切だ。

長時間の低速走行におけるクラッチ操作と疲労軽減

渋滞時のノロノロ運転が長く続くと、ライダーの身体的な疲労、とくにクラッチレバーを握る左手への負担が非常に大きくなる。
マニュアルトランスミッションの3輪バイクの場合、少し進んでは止まるという動作を繰り返すため、半クラッチを多用することになるからだ。

重いクラッチを何度も握り続けていると、左手の握力が低下して腱鞘炎のような痛みを引き起こす。
また、クラッチ板自体にも摩擦による熱が蓄積してクラッチが滑る原因にもなりかねない。

疲労を軽減するためのコツとしては、前の車が数メートル進んだからといってすぐについて行かず、ある程度の車間距離が空くまで待ってからクラッチを完全に繋ぎ、アイドリングの速度を利用してゆっくりと一定のペースで前進させることだ。
無駄な半クラッチの回数を減らすことができる。

また、停車中はずっとクラッチレバーを握りっぱなしにするのではなく、こまめにギアをニュートラルに入れて左手を休ませる癖をつけよう。

オートマチックモデルや遠心クラッチを採用した3輪バイクであればこの苦労はないが、マニュアル車に乗るライダーは自分自身の体力と車体へのダメージを気遣うテクニックが求められるのである。