バッテリーの劣化を防ぐための取り外しと充電
冬の間、長期間3輪バイクに乗らない状態が続くとバッテリーが自然放電を起こし、いざ春になって乗ろうとしたときにエンジンがかからなくなってしまうことが多い。
とくにトライクは車体が大きく電装系パーツを多く搭載している車両も少なくないため、バッテリーへの負荷は通常よりも大きくなりがちである。
冬眠準備の第一歩として行うべきは、車体からバッテリーを取り外すことである。
マイナス端子から外し、次にプラス端子を外すという基本手順を守って安全に取り外したバッテリーは、直射日光の当たらない風通しの良い室内で保管するのが望ましい。
また、ただ取り外して放置するのではなく、保管中も1か月に1回程度の頻度で専用の充電器を用いて補充電を行うことで、バッテリーの寿命を大幅に延ばすことができる。
バッテリーをつないだままにしておく場合、少なくともマイナス端子だけでも外しておくことで微小な暗電流による放電を防げるが、やはり完全に取り外して室内で管理するほうが寒冷地などでは安心確実な方法といえる。
ガソリンの劣化対策とタンク内のサビ防止
バイクを長期間動かさない場合、燃料タンクの中に入っているガソリンの扱いにも注意が必要だ。
ガソリンは時間が経つと酸化して劣化し、ドロドロのガム状の物質に変化してキャブレターやフューエルインジェクションのノズルを詰まらせる原因となる。
冬眠させる際のガソリンの扱いには大きく分けて二つの方法がある。
ひとつはタンク内のガソリンを完全に抜き取ってしまう方法で、もうひとつはガソリンをタンクの口まで満タンにしておく方法である。
一般的な鉄製の燃料タンクの場合、タンク内に空洞があるとそこにある空気が結露して水分を生み出し、タンクの内部をサビさせてしまう危険性が高い。
そのため、サビを防ぐ目的であればガソリンを限界まで満タンに給油し、空気に触れる面積を極力減らしておく方法が推奨される。
さらにその際、ガソリンの劣化を防ぐための燃料添加剤やフューエルスタビライザーと呼ばれる劣化防止剤をあらかじめ規定量投入し、エンジンを数分間かけて燃料経路の隅々まで添加剤を行き渡らせておくと、春先のエンジンの始動性が格段に向上する。
車体の洗浄とサビ対策およびカバーの掛け方
冬眠に入る前には、シーズン中に付着した泥や油汚れ、虫の死骸などを徹底的に洗い落とす洗車作業が欠かせない。
汚れを放置したまま長期間保管すると、そこから塗装の劣化や金属パーツの腐食が進行してしまうためである。
丁寧にシャンプー洗車を行った後は、水分が完全に飛ぶまでしっかりと乾かすことが重要である。
水分が残っているとそれがサビの原因となるため、可能であれば近所を軽く走行して風圧で隙間の水を吹き飛ばすか、エアコンプレッサーなどで水分を除去するとよい。
完全に乾燥した後は、金属部分やメッキパーツに防錆用のオイルやシリコンスプレーを塗布し、表面を保護する。
最後にバイクカバーを掛けるが、トライクは2輪バイクとは車体の形状が大きく異なるため、専用のトライクカバーや四輪バギー用の大型カバーを使用しよう。
屋外で保管する場合は、地面からの湿気を防ぐために車体の下に厚手のブルーシートやゴムマットを敷いてほしい。
強風でカバーが飛ばされたりバタついて車体に傷がついたりしないよう、しっかりとバンドで固定しておくことが大切である。
